喜んでもらえると嬉しい!エンドユーザーからの声が届く仕事
自分が縫った服も直しに来てもらえるといいなって
ご経歴を伺えますか
もともと服飾のコースがある美術大学に通っていて、卒業した後に東京にあるブランドに、インターンとして入った後、アシスタントを2年やってました。
製品までアトリエ内で作ったりしていたんで。そこで型紙作ったり、仮縫いしてサンプル作ったりっていうのが多かったですかね。
東京でやっていらしたんですね
はい。そのあとに量販向けの企画会社に勤めました。
仕様書を書いたり、生地を決めたり。OEMと組んで『こういう製品つくりませんか』って話をして、OKが出たら工場に投げてっていう仕事を2年やってて、その時は縫製はやってなかったんですね。
それをやりつつ、自分の服を作って展示したりしていたので、ちょっと重なっている時期もあったんですけど。
それから大阪のほうに引っ越してきて、今に至ります。お直し屋さんは大阪に来てからやりはじめたんですよ。
お直し屋さんもここでやり始めて、結構面白いと思っていて。普通に0から縫うのと全然違うなって。
あとは思った以上に『直したい』というお客さんが多いんだなというのがありまして。
だったら自分も縫えるし、自分が縫った服も直しに来てもらえるように出来たらいいなというのがあってやり始めたんですけど。
糸のしまわれ方がお直し屋さんぽいですね。笑
こういうの全部、自分でボード買ってきてでやってます。
お直しは糸を変えることが多いですもんね。物に合わせて糸をえらばないといけない。
パッと分かるほうが効率はいいですよね。番号も見えますし。
お直し屋さんを始めてからキングスパンの番号を覚えました。笑
ブランドを持ちながらnutteの受注も
ご自分でもブランドをお持ちなのですね
はい。これはCD屋さんで展示していて、この時はワークウエアをテーマに実際に仕事をしている人に着て貰おうっていうのをやってて、それでレコード屋さんのエプロンを作ったんです。7インチのレコードが入る大きさのポケットがついているエプロンっていうすごく限定されたものを作ったり。
なるほど
テーラーの作務衣が可愛らしくていいなと思って作ったり、
ミュージシャンの人に衣装として着てもらったり。
販路としてはネット販売と委託でお店に置いてもらったりしています。
なるほど。ご自身のブランドを持ちながら、nutteでの受注もしてくださっているということですね。nutteではどのようなお仕事をしていきたいですか
作り手からしたら100着以上だと、ちょっと一人でやるには大変なので、20着ぐらいだとやりやすいですね。
そこに個人のお客さんが注文してくれるようものが平行してできると良いですけどね。
個人のお客様のお洋服で細かいニーズに応えるようなお仕事も受けてみたいですね。一応型紙もできて縫うところまで出来るんで、それを今後できたらなと思っています。
パターンは手で引かれているんですか?
いまは手で引いてますね
CADも取り入れたいんですけど、いまAdobeのIllustratorで型紙をスキャンしてサイズ展開していて。
サイズの帳尻合わせはクレアコンポのほうがいいかもしれませんが、Illustratorに慣れてたらそんなに難しくないです。
結構衝撃的なプラグインですよね
ですよね。仕様書とかつくるのはIllustratorが楽なんじゃないかなって。絵型描いたりそのままそっちに変えたりできるし。
1点物のオーダーが来たものだったりっていうのは、いまは基本は手で書いてますね。
将来的には地元のほうに戻りたい
ご出身はもともと関西なんですか?
出身は山口県なんです。大学で関西に出てきました。将来的には地元のほうに戻りたいということも考えています。
このサービスだとそれが出来る可能性もありますよね。
僕のような地方出身ではなくて、元々都会にいる人も静かなところに住みたいっていう、いわゆるIターン希望の人も結構増えていて。それをやるためには仕事をどうしようっていうのがまず問題になるところですし。
そうですね。実際nutteの登録職人さんも日本全国でお仕事受注してくれています。お仕事を自由に選んでいただけて、どこにいてもできるので、貢献できるかなと思います。
そうですよね。僕も元々東京でやっていたのですが、縁あってこっちで暮らしています。
ちょうどこのあたりは昔テーラーで栄えていたようで、今も商店街にはテーラーさんがあったり、資材も少し安く手に入ったりするんです。
なるほど。この古民家をかわいらしく改装している雰囲気もとても良いですね。
この床とかも自分で張り替えたんですよ。(アトリエを)シェアしている人が舞台俳優と大工仕事をしていて、しかも和菓子職人であるという。笑
色々やっているんですが、床の張り替えできるよと言ってくれたので、元々は畳だったところを改装しました。
バキュームアイロンもガツンと置いてますもんね
バキュームアイロンとかロックミシンとかは元々お直しやさんが、辞めちゃうという話があって、使う人に安く売ろうと思っているというときに、まとめて全部買わせてもらったんです。
アイロンは動力の申請をしていないので今はまだ動かせないんですけど。笑
1人工房としてはすごい充実した設備ですね
主観的な注文も形にするのは面白い
まだ登録されたばかりですが、やってみていかがですか。
手始めに幼稚園バッグを製作させてもらっていて、
一応参考として作り方の本を送ってくださったのですが、指示通り作ると指定の持ち物が全部は入らないとか・・・そういうところは依頼者さんにお聞きして変えたりしました。
出来上がりがどういうものになるかということを気をつけながらやりましたね。
こういう生地が来たからこんな子どもなのかなって考えたり。
やっぱり喜んでもらえると嬉しいですね。ちゃんと作らないとって思います。
アマチュアの方からこんなに依頼があると思っていなかったんですよね。依頼側も細かいところはわからないということも往々にしてあって
そうですよね。アパレルの感覚とはまた違いますよね。
結果的に一般のお客様からの依頼は職人さん側がイニシアチブを取ってやってくださってますね
たまに見てるとすごい気になる依頼もあったりして
あれってあの後どうなるのかなって・・・。
実際難しいものもありますね。主観的な注文もあったりするので。
まあそれを形にするのも面白いですよね。
どうやって満足してもらえるんだろうって。笑
やってみたいなって思っている案件はやはり人気があってすぐに成約していますよね。
依頼は見えても完成品が見えないので、実際どんなものが出来上がったのか知りたいって思うこともありますし、依頼の案件を見てるだけでわりと面白かったりしますよね。
みなさん(nutteを)どこから見つけてくるのかなって。
妻や友達とかにnutteの話をするんですけど、『面白いなぁ』って言ってて。思った以上に反応があるのでこのサービスを作った人は凄いなって。笑
褒められちゃいましたね 笑 マッチングだけじゃなくていろいろな方向性があるのでそこに広げていきたいですね。
僕も依頼側としても使ってみたいと思います。
取材後記
お友達から『某俳優さんに似てる』と言われているというpreostさん。(老けた某俳優さんという自虐も盛り込みながら・・・)ご自分のブランドの販路を広げながら、nutteもうまく活用しているイケメン職人さんです。
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